2007年 08月 03日
イタリア料理の本 米沢亜衣 |

米沢亜衣さんの「イタリア料理の本」。
イタリア各地の食堂で働いたりホームステイしたりの経験で覚えた土着な料理を伝える料理研究家の米沢亜衣さんは「ソトコト」でレシピ連載をしていた頃からずっと気になる人です。
3分クッキングにも出ていたけれどテレビ番組規格からはみだしてるような、土くさいような(いい意味で)そんな感じ。
この本も今どきのやたらお洒落な料理本とは一線を画する、料理、というか食べることの本質に迫る読ませる本だと思います。装丁だけでもそれは伝わってくるような。
料理ひとつひとつにまつわるエピソードが短くついているのですが、短いながらイタリア各地の人たち、パン屋、マルシェに触れた気分にさせてくれるのです。レシピは載っているものの、彼女が食べたときの材料、人、空気がないと同じものは決して出来上がらないと思うし、本人も絶えず「あの時のあの美味しさにはならない」的なことを言っているのが面白い。
食べたときのシチュエーションやメンバー、サービスはその料理の記憶に影響を与えるし、テクニックと同じくその辺りに敏感になるのは経験値だと思うので、この人は濃い食事を重ねてきているんだなぁと今回この本を読んで改めて思いました。
と、まるで料理本ではなく読み物的に扱ってますが、野菜は火を入れる直前まで氷水で冷やしておくこと等、味を左右する食材の扱いなどにはうるさく、オリーブオイルで野菜を炒めるだけでもこの人の料理は美味しいだろうなぁと思わずにはいられません。
この本の出版記念で彼女の料理が食べられるイベントがあったらしく本当にいきたかった・・・。プロの料理はレストランで食べられるけど、料理研究家の料理ってなかなか食べる機会がないから実はわからないんですよね。とりあえず彼女の料理教室に一度行ってみたいものです。
by maicaica
| 2007-08-03 07:27
| 料理